ベタ塗りとは
印刷デザインの中で特定の色を広い範囲に均一に塗りつぶすことをベタ塗りと言います。
文字やイラストなどの細かい装飾ではなく、背景や帯などを一色でまとめる表現方法で、ノベルティやオリジナルパッケージを制作する際によく使われます。
「ベタ」とは「全面にしっかりと色をのせる」という意味で、印刷業界ではごく基本的な用語です。
ただし、その見た目の美しさを保つには、適切なデータ作成と印刷設定が欠かせません。
ベタ塗りが使われる場面
ノベルティやお菓子のパッケージ制作では、以下のようなデザイン部分にベタ塗りが多く使われます。
- 背景をブランドカラーで統一したい時
 - ロゴや焼き印を際立たせたい時
 - シンプルで上品な印象を演出したい時
 - 箱やスリーブの側面など、広い面を引き締めたい時
 
ベタ塗りの注意点
一見シンプルなベタ塗りですが、印刷時にはいくつかの注意が必要です。
1. ムラが出やすい
広い面を単色で塗るため、インク量が多くなり、インクムラやかすれが発生しやすくなります。
特に濃い色(黒・紺・赤など)は、ムラが目立ちやすい傾向にあります。
2. スミベタの使い方に注意
黒いベタ塗りを行う際、K100%(スミベタ)のみで指定するとムラが出やすく、印刷時に沈んだ色になることがあります。
より濃く美しい黒を出したい場合は、リッチブラック(例:C40 M30 Y30 K100など)を使用するのが一般的ですが印刷業者にもよるので、必ず確認しておきましょう。
3. 紙質との相性
マット紙やクラフト紙など、紙の質感によってインクの吸収率が異なります。
紙の風合いを活かす場合は、全面ベタ塗りよりも、余白を残したデザインにする方が上品に仕上がることもあります。
ベタ塗りをきれいに仕上げるコツ
- 解像度を十分に確保する(推奨:350dpi以上)
 - 色をCMYK形式で指定する(RGBでは印刷色が変わるため注意)
 - 塗り足しを3mm以上確保する
 - 小さな文字や線の近くにベタ塗りを配置しない(にじみを防止)
 - 紙質・印刷方式に合わせた色味調整を行う
 
これらを意識することで、発色が良く、均一で美しい仕上がりになります。
まとめ
ベタ塗りとは、ノベルティやオリジナルパッケージ制作において、色の印象を決定づける重要なデザイン要素です。
シンプルながらも、ブランドらしさや高級感を引き出すために欠かせません。
印刷ムラを防ぎ、素材や加工方法に合わせてベタ塗りを活用することで、より美しく完成度の高いお品をお届けすることができます。


